建設業者の保険未加入問題(平成29年6月定例会)

玉城健一郎

2017年08月02日 16:49

〇7番 玉城健一郎 議員 
 次の質問に移らせていただきます。建設業者の社会保障未加入問題の取り組みについて質問いたします。平成24年11月に国土交通省が、平成29年度までに5年をかけて建設業許可業者の社会保険加入率を100%にしますと通達を出したことから、この問題が始まりました。国土交通省が建設業者への社会保障未加入問題を解決するため、対策強化を決めました。その方針は、直轄工事で行われている元請、一次下請の未加入企業の排除を二次下請以降まで広げ、元請会社の下請会社に対する指揮監督責任を強化する方針を決めました。つまり、零細企業を含めた全ての事業者が対象になったということです。現在は、直轄工事に限定していますが、自治体が発注する工事や国が補助金を出している事業でも、未加入企業の排除を徹底するよう自治体へ要請しています。
 そこで、質問なのですけれども、国土交通省から社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインというものが発表されておりますが、これはどのような目的で出されているか、御答弁お願いいたします。
〇大城政利 議長 総務部長。
〇米須良清 総務部長 御質問にお答えいたします。社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインは、建設産業の持続的な発展に必要な人材の確保を図るとともに、事業者間の公平で健全な競争環境の構築を進める上で、社会保障等の未加入対策を進めることが重要であり、平成29年度までに許可業者の加入率100%、労働者単位では製造業担当の加入を目標に、元請企業及び下請企業がそれぞれ負うべき役割と責任を明確にし、建設企業の取り組みの指針となるべきものとして、平成24年7月に定められております。対象としては、法人、個人事業主などです。
〇大城政利 議長 玉城健一郎議員。
〇7番 玉城健一郎 議員 ありがとうございます。この目的として、社会保障の未加入を防ぐことによって若い人たちの、今建設業者の担い手不足というのが問題になっていて、そこに対しての対応策として社会保険の加入を義務づけるということを行っております。
ここで、ちょっと公共事業、国土交通省が出している社会保険加入状態調査結果、これは平成28年度10月の調査なのですけれども、調査結果を報告いたします。ここで保険の加入状況で、沖縄県というのがどの分野においても一番最低なのです。企業で言えば、沖縄県は90%で加入率は栃木県の次ぐらいに悪いです。労働者別で言えば、加入率というのが全国最下位で、沖縄県は48%の加入率となっております。これは、平成28年度10月の調査なのですけれども、ここでお尋ねいたします。市内での加入、未加入の会社の状況などは把握されているか、御答弁お願いいたします。
〇大城政利 議長 市民経済部長。
〇伊波保勝 市民経済部長 御質問にお答えします。国民皆保険としての法律で国民の加入が義務づけられている保険制度につきましては、医療保険、年金保険、雇用保険、労災保険等があります。これらの管轄につきましては、いずれも国の機関、厚生労働省というふうになってございまして、医療保険、年金保険については年金事務所が管轄でございまして、雇用保険につきましてはハローワーク、労災保険につきましては労働基準監督署というふうになっておりまして、市内事業所において社会保険の加入あるいは未加入の会社の把握については、市においては困難な状況というふうになっております。
〇大城政利 議長 玉城健一郎議員。
〇7番 玉城健一郎 議員 もう一度答弁いただきたいのですけれども、これは他分野に、いろんなところに分野が行っているので、市としては把握が難しいということの理解でよろしいのでしょうか。
〇大城政利 議長 市民経済部長。
〇伊波保勝 市民経済部長 管轄そのものが、先ほど申し上げましたように厚生労働省ということで、それぞれの事業所において全ての社会保険に加入しているところもございますし、1つの労災保険だけ加入している状況もございまして、それについては市のほうで把握しているという状況ではなくて、それぞれの所管の国のほうで管轄して把握しているというところでございます。
〇大城政利 議長 玉城健一郎議員。
〇7番 玉城健一郎 議員 この加入というのが3保険ありまして、社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインに対する適切な保険についてなのですけれども、あくまで法人と個人、主に個人事業主だと5人以上について限定してお話ししますけれども、3保険、雇用保険と医療保険、年金保険に入っていれば適切な保険の範囲になるのです。ここをまず確認していただきたいということなのですけれども、では質問をちょっと変えますけれども、今回ガイドラインが出ていますけれども、加入しなかった場合はどのようになっているか。平成29年度4月以降100%を目指していくという国の方針がありますけれども、加入していない場合はどのような状況になるのか、御答弁お願いいたします。
〇大城政利 議長 休憩いたします。(休憩時刻 午後3時10分)
〇大城政利 議長 再開いたします。(再開時刻 午後3時10分)
 総務部長。
〇米須良清 総務部長 御質問にお答えいたします。本市の建設工事競争入札参加資格申請の際、申請できるものとして健康保険及び厚生年金、雇用保険に加入していることを要件としておりますので、加入していない場合は申請ができないこととなります。また、今年度から一次下請人の健康保険等加入義務を建設工事請負契約約款に明記しておりますので、社会保険未加入の場合、下請け工事契約ができないこととなります。
〇大城政利 議長 玉城健一郎議員。
〇7番 玉城健一郎 議員 未加入の作業員というのが、国の方針として現場にも入れないという方針を出しているので、仕事自体ができなくなるという厳しい状況になっております。
 ここで、ちょっと総務部長、質問なのですけれども、先ほど一次下請まで3保険を適用するということなのですけれども、今の話では市発注の場合は一次までは約款で規定されているということなのですけれども、二次、三次についてはどのようになっているのか、御答弁お願いいたします。
〇大城政利 議長 総務部長。
〇米須良清 総務部長 御質問にお答えいたします。国土交通省は、平成29年4月1日以降の工事から、二次下請以下についても社会保険等加入業者と限定することとしております。罰則規則につきましては、平成29年10月1日以降の工事から適用することとなっております。
 本市につきましては、沖縄県が建設業における社会保険等未加入対策として、平成29年3月1日以降の契約案件については、一次下請人の健康保険等加入義務を建設工事請負契約約款に明記したことから、今年度から県に準じて建設工事請負契約約款に明記しております。罰則規定や二次下請以下の義務づけにつきましては、県等の動向を注視しながら検討してまいりたいと考えております。
〇大城政利 議長 玉城健一郎議員。
〇7番 玉城健一郎 議員 今市の中で、沖縄県もそうなのですけれども、県も市も一次まではやっているのですけれども、二次、三次以降までやっていないというところが問題で、ことしの4月から二次、三次だろうが、保険に入っていなかった場合は現場に入れないという措置がされているのです。
 そこで、一番厳しく見られるのが現場で、市発注の仕事自体もこの厳しい中で社会保険料、実際の保険料というのが厳しくなっていると思うのですけれども、今現在市発注の公共工事の設計額に、下請や孫請けまでの福利厚生費は含まれているのかどうか、御答弁お願いいたします。
〇大城政利 議長 建設部長。
〇伊波興博 建設部長 お答えいたします。本市が発注する公共工事につきましては、積算基準書により本工事費の現場管理費の中で、社会保険等の経費を反映しているところでございます。また、元請業者が下請業者と請負契約を行う場合は、請負金額に社会保険等も含まれていると認識しているところでございます。
〇大城政利 議長 玉城健一郎議員。
〇7番 玉城健一郎 議員 今市の認識としては、法定福利等が下請とか二次下請に入っているということなのですけれども、これちょっと専門家の方とお話ししている中で一番今現在問題になっているのが、法定福利費をどのように負担するかということなのです。
 国土交通省が今つくっている考えの中では、社会保険を末端まで、仕事をしている人たち全体まで建設業者に関して徹底させる上では、毎月支払う保険料というのは事業者が負担するのですけれども、この事業者負担の法定福利費をそれぞれの工事ごとに標準見積書によって明確にした上で、発注者が拠出した未加入対策の原資を建設業界の末端まで行き届かせることを提案しているのです。具体的に言えば、発注者が元請企業に対して従来の工事金に加えて、法定福利費を上乗せした金額で発注します。元請企業は一次下請企業に対して、法定福利費を上乗せした金額で注文します。一次下請企業は、二次下請企業へ法定福利費を上乗せした金額で発注する。これを末端まで続けることで、法定福利費は一番下のほうまで行き届くようにということを制度として提案しています。その中で肝になるのが、標準見積書なのです。標準見積書には、法定福利費という社会保険の金額というのがしっかり明細されていて、誰でもそれを見るだけで、この金額が入っているという、工事金額とは別で法定福利費が入っているということが、一目散でわかるのです。今現在末端の孫だったりひ孫、元請業者だったりだとか一次業者とかというのは、恐らく標準見積書というのを使っていると思うのですけれども、それ以下になってくると標準見積書を使っていないところのほうが多いというふうにお話を伺っております。ですので、市としてぜひ検討していただきたいのは、市内の業者に関して法定福利費がわかる標準見積書の使用というのを徹底していく。市の入札のものに関していえば、必ず末端まで標準見積書を使用するように徹底指導していただきたいのですけれども、こちらについて御答弁お願いいたします。難しいかな、部長、提案でお話しします。ぜひ徹底指導していただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

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